症例紹介
東京・大阪・札幌の3院で、変形性関節症、脳卒中後遺症、脊髄損傷など、さまざまな疾患で改善を実感された症例をご紹介します。
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- 関節の症例
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
人工関節までの時間を延長する選択肢を見つけた50代女性の左変形性股関節症再生治療 「このまま痛みに耐え続けるしかないのでしょうか」――そう不安を抱えていたのは、高校生の頃から数十年にわたり左股関節の痛みに悩まされてきた50代女性の患者様です。臼蓋形成不全による左変形性股関節症と診断され、治療前の痛みは10段階中10という深刻な状態でした。"リペア幹細胞"による治療を経て、痛みは10段階中3まで軽減。人工関節手術を先延ばしにできる見通しが立ち、希望が見えてきました。 治療前の状態 高校生の頃から左股関節に痛みを感じていたが、当初は強くなかったため未受診 ここ数年で痛みが急激に増強し、整形外科を受診 臼蓋形成不全による左変形性股関節症と診断され、関節軟骨のすり減りも確認 治療前の痛みは10段階中10で、日常生活に大きな支障 患者様は高校生の頃から左股関節に違和感を覚えていましたが、痛みがそれほど強くなかったため医療機関を受診していませんでした。しかしここ数年で痛みが急激に増し、近くの整形外科を受診したところ、臼蓋形成不全による変形性股関節症と診断されました。臼蓋形成不全とは、股関節の骨頭を覆う臼蓋のかぶりが浅い状態のことです。 50代前半で診断を受けた時点ですでに関節軟骨のすり減りが進行しており、予防的な骨切り術の適応はありませんでした。手術をするなら人工関節置換術しか選択肢がないと言われましたが、人工関節は耐用年数の問題から65歳以上が望ましいとされています。10数年もの間、強い痛みに耐え続けなければならないのか、何か良い方法はないかと探された結果、再生医療に興味を持ち当院を受診されました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 レントゲン所見 レントゲンにて関節の狭小化を認めます。 <治療内容>左股関節に1億個の"リペア幹細胞"を計4回投与 左股関節に1億個の"リペア幹細胞"を計4回にわたり投与しました。股関節は膝関節と比べて解剖学的に隙間が狭い構造のため、ピンポイント注射により関節内へ届けました。 治療後の変化 初回投与後1年で痛みが10段階中10から3へ大幅に軽減 数年間続いていた強い痛みが約3分の1まで改善 日常生活が楽になり、人工関節手術を先延ばしにできる見通しが立った アクティブな生活を諦めずに済む希望が見えてきた 初回投与から1年が経過した時点で、治療前10段階中10だった痛みが3まで軽減しました。患者様からは「ここ数年続いていた強い痛みが3分の1まで軽減したので本当に楽になりました。これであればしばらくは人工関節の手術は受けなくてよさそうです」と喜びの声をいただきました。 治療前は「このまま10数年も痛みに耐え続けなければならないのか」という不安を抱えていた患者様ですが、"リペア幹細胞"による治療を経て、人工関節手術までの期間を痛みなく過ごせる見通しが立ちました。臼蓋形成不全という構造的な問題は残るものの、高い生活の質を維持しながら過ごせる時間を確保できたことは、患者様にとって大きな意味を持つ結果となりました。
2026.09.09 -
- 頚椎・腰椎ヘルニア・狭窄症・脊髄損傷・脊髄梗塞・脊髄炎などの症例
- 脳神経・脊髄の症例
- 幹細胞治療の症例
30年来の脊髄損傷の後遺症に再び改善の手応えを得た50代男性の脊髄馬尾損傷再生治療 「もう良くならないと諦めていた」——約30年前のバイク事故で脊髄を損傷し、両足のしびれや痛み、排泄のトラブルとともに生きてこられた50代男性の患者様。左足に装具と杖が欠かせず、強い残尿感や失便にも長年悩まされてきました。再生医療という新しい選択肢を知り当院を受診され、"リペア幹細胞"による治療を経て、投与直後から足の感覚が戻り、大股で歩けるようになるなど確かな変化を実感されています。 治療前の状態 約30年前のバイク事故で脊椎を骨折し、脊髄と馬尾神経を損傷した 骨折はコルセット固定で癒合したものの、両下肢の知覚麻痺・痛み・筋力低下、膀胱直腸の障害が後遺症として残った 歩行には左足の装具と杖が必要で、強い残尿感や失便にも悩まされていた 30年近く後遺症と付き合ってこられたが、運動の障害と排泄の障害が少しでも改善すればと願っていた 約30年前、バイク事故で脊椎を骨折し、第12胸椎のレベルで脊髄を、第3腰椎のレベルで馬尾神経を損傷されました。骨折そのものはコルセット固定で癒合したものの、両足の知覚麻痺や痛み、筋力の低下、そして膀胱や直腸の働きの障害が後遺症として残りました。歩くには左足に装具を着け杖を使う必要があり、排尿しても強い残尿感が残り、体調によっては失便してしまうこともあったといいます。長年そうした後遺症と共存してこられましたが、近年の再生医療の進歩を耳にし、少しでも改善できればという思いで当院を受診されました。 脊髄損傷の後遺症は、損傷した神経の回復が通常は1〜2年ほどで止まり、その後は長く付き合っていくものとされてきました。現在の保険診療では、いったん止まった神経の回復を再び促す治療法がないのが実情です。ですが、患者様は運動や排泄の障害が少しでも和らげばという強い希望をお持ちでした。そこで当院では、ご自身の細胞を用いて損傷した神経組織の修復を促す再生医療をご提案しました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 MRI所見 MRIにて脊髄の損傷を認めます。 <治療内容>脊髄くも膜下腔へ2,500万個の"リペア幹細胞"を計3回投与 脊髄くも膜下腔へ"リペア幹細胞"を1回あたり2,500万個、計3回にわたり投与しました。腰から細い針で直接投与する方法をとることで、損傷した神経により多くの細胞を届けることをめざし、手術や入院をせずに治療を進めることができました。 治療後の変化 1回目の投与直後から両足のしびれと痛みが改善した 2回目の投与後には足裏の感覚が戻り、地面との接地感が良くなって歩きやすくなった 大股で歩けるようになり、1,500m歩いても疲れを感じにくくなった 3回目の投与後には便の硬さがちょうど良くなって失便がなくなり、足首にも力が入るようになった 脊髄くも膜下腔への"リペア幹細胞"の投与を重ねるごとに、患者様は確かな変化を実感されました。1回目の投与直後から両足のしびれと痛みが和らぎ、2回目の投与後には足裏の感覚が戻って接地感が良くなり、歩行が安定しました。大股で歩けるようになり、1,500m歩いても疲れを感じにくくなったほか、3回目の投与後には便の硬さが整って失便がなくなり、尿をためられる感覚も戻ってきたといいます。 来院当初は、左足の装具と杖が手放せず、排泄のトラブルにも長年悩まされ、良くなることを諦めかけていらっしゃいました。それが、30年近く前の神経損傷の後遺症が投与直後から再び改善し始め、歩行も排泄も前向きな手応えを得られています。長く後遺症と向き合ってこられた患者様にとって、大きな希望につながる変化となりました。
2026.09.07 -
- 関節の症例
- 肩関節の症例
- 幹細胞治療の症例
仕事を続けながら両肩の痛みを克服した40代男性の肩腱板損傷再生治療 「仕事は休めない、でも夜も眠れないほど肩が痛い」——そう話して来院された40代男性の患者様。上肢を酷使する仕事に加え、ダンベルトレーニングや剣道で両肩を酷使し、両肩の腱板損傷と診断されました。夜間痛をともなう10段階中6の痛みが両肩に続き、仕事にも支障が出ていた状態でしたが、"リペア幹細胞"による治療を経て、右肩の痛みは10段階中1、左肩は2まで軽減し、仕事を休まず治療を続けられました。 治療前の状態 1年前から両肩の痛みが出現し、上肢を酷使する仕事やダンベルトレーニング、剣道で肩を酷使していた 整形外科のMRI検査で腱板断裂と診断された 夜間にも痛みがあり、仕事に支障が出ていた状態 両肩とも10段階中6の痛みを抱え、再生医療による治療を希望していた 1年ほど前から両肩に痛みを感じるようになり、上肢を酷使する仕事に加えてダンベルトレーニングや剣道でも肩を使い続けていました。整形外科を受診したところ、MRI検査で腱板断裂と診断されました。夜間にも痛みがあり、仕事にも支障が出ていたため、再生医療による治療を希望して当院へご来院されました。 腱板損傷は、断裂した部分を放置すると時間とともに断裂が大きくなるため、一般的には断裂が小さいうちに手術が勧められます。ですが、手術後の数週間は縫合した腱板を安静に保つために装具で固定する必要があり、肩が固まってしまう拘縮のリスクや、仕事を休まなければならない負担がありました。そこで当院では、仕事を続けながら治療できる選択肢として、ご自身の細胞を用いて組織の修復を促す再生医療をご提案しました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 MRI所見 MRIにて腱板損傷を認めます。 <治療内容>両肩の腱板断裂部に"リペア幹細胞"を計3回投与 両肩の腱板断裂部に、エコーガイド下で"リペア幹細胞"を計3回にわたり投与しました。手術や入院の必要はなく、装具による固定も不要なため、仕事を続けながら治療を進めることができました。 治療後の変化 初回投与後1か月で右肩の痛みが10段階中6から1へ、左肩は6から2へ軽減 2回目投与後1か月で右肩の痛みが0に、4か月後には両肩とも夜間痛が消失 最終投与後も右肩の痛みは1で安定 仕事を一度も休むことなく治療を継続し、痛みを気にせず日常を送れるように 両肩の腱板断裂部にエコーガイド下で"リペア幹細胞"を投与したところ、初回投与後1か月で右肩は10段階中6から1へ、左肩は6から2へと痛みが軽減しました。2回目投与後1か月で右肩は0となり、4か月後には両肩とも夜間痛が消失しました。最終投与後も右肩の痛みは1で安定しています。 来院当初は夜間痛で眠れず、仕事にも支障が出ていた状態でしたが、仕事を一度も休むことなく治療を続け、両肩の痛みを克服されました。手術による装具固定や拘縮のリスクを避けながら、来院時に抱えていた「仕事を休めないが痛みも取りたい」という願いを叶えることができました。
2026.09.05 -
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手術を回避して歩ける日常を取り戻した60代女性の末期股関節症再生治療 「末期と言われた右股関節、それでも人工関節は避けたい」。10年来の右股関節痛がついに日常生活へ支障を及ぼし始めた60代女性の患者様。"リペア幹細胞"とPRP療法による治療を受け、10段階中9だった痛みが12ヶ月後には2前後まで軽減。杖を手放し、しゃがみ込みや歩行が少しずつできる日常へと前進されました。 治療前の状態 10年前から続く右股関節の痛みが半年前から日常生活に支障を及ぼし始めた 歩行時痛・階段昇降困難・靴下を履けないなどの症状で杖が必要な状態 整形外科では鎮痛剤と年1回のレントゲン経過観察にとどまっていた 痛みは10段階中9、可動域制限も著明だった 患者様は10年前から右股関節に痛みを抱えていましたが、半年前から日常生活に支障が出始めました。歩行時には強い痛みがあり、階段昇降が困難で、靴下も自分で履けない状態にまで進行していました。整形外科では鎮痛剤の処方と年に1回のレントゲン撮影による経過観察を続けてこられました。 受診時の痛みは10段階中9という強い状態で、可動域の制限も著明、歩行には杖を使用されていました。「手術は避けたい」という強いお気持ちから、当院での再生医療による保存療法を選ばれました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 レントゲン所見 レントゲンにて関節の狭小化を認めます。 <治療内容>右股関節に"リペア幹細胞"5000万個を計4回投与+PRP 右股関節に"リペア幹細胞"5000万個を計4回にわたり投与し、あわせてPRP療法も実施しました。手術や入院の必要はなく、ご自身の関節を温存したまま治療を進めることができました。 治療後の変化 治療を経て痛みが10段階中9から12ヶ月後には2前後まで軽減 骨がぶつかるような痛みが消失し、歩行時に杖が不要になった 歩行速度が向上し、しゃがみ込みも少しずつできるように 末期と診断されながらも人工関節を回避して日常を取り戻すことができた 治療を進めるにつれて痛みは段階的に軽減し、12ヶ月後の時点で10段階中9から2前後まで改善しました。骨がぶつかるような強い痛みが消失して杖が不要になり、歩行速度も向上、しゃがみ込みの動作も少しずつ取り戻されています。可動域の制限や脚長差などの所見は残るものの、生活面の負担は大きく減少しました。 「末期と言われた、それでも手術は避けたい」という治療前の不安は解消され、人工関節を回避しながら歩ける日常へとつなげることができました。引き続き、当院では筋力強化やリハビリと組み合わせて、生活の質を高めていくサポートを行っています。末期の変形性股関節症で手術を迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。
2026.09.03
蘇らせる
「再生医療」とは?
ケガをして傷がふさがる、傷跡が少しづつ薄くなる・・
当たり前のようですが、実はそこには細胞のチカラが働いています。
それはあなたの身体の細胞が、
弱ったところを修復するために皮膚になろう骨になろうとしているのです。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを
「再生医療」と呼びます。
リペアセルクリニック大阪院の特長
当クリニックは、 疾患・ 免疫・美容という分野すべてで自己細胞を用いた 最先端の医療を行うことができる国内でも珍しい部類の厚生労働省への届出が受理された医療機関です。
CPC(細胞培養加工施設)の高い技術により、 冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないです。
大阪院はカフェのような落ち着いた雰囲気で治療を受けていただけるくつろぎの空間をご用意しております。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い安全性(化学薬品不使用)
- 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC - くつろぎの
空間
厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
各治療について、厚生労働省より再生医療等提供計画番号を取得しています。
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「自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療」
第二種 計画番号
PB5200026 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療」
第二種 計画番号
PB5190014 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療」
第二種 計画番号
PB5190015 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症の治療」
第二種 計画番号
PB5190016 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症・皮膚再生治療」
第二種 計画番号
PB5190018 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療」
第二種 計画番号
PB5200048 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療」
第二種 計画番号
PB5200007 -

「多血小板血漿を用いた変形性関節症の治療」
第二種 計画番号
PB5200037 -

「多血小板血漿を用いた筋腱炎・靭帯炎の治療」
第三種 計画番号
PC5200068 -

「多血小板血漿を用いた皮膚再生治療」
第三種 計画番号
PC5200082 -

「活性化NK細胞を用いた悪性腫瘍の予防の治療」
第二種 計画番号
PC5230075 -

「自己脂肪由来幹細胞+前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療」
第二種 計画番号
PB5230070
























これによりまだ国内では認可の少ない、自己の幹細胞を点滴で体内に巡らせ内臓などを再生させる治療、「変形性関節症」などの再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与、さらにPRPや幹細胞を用いた肌の再生を、再生医療等安全確保法のもと、自由診療にて提供できるようになりました。自己の幹細胞を用いる再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会において、治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制など厳しく審査を行い、適切と認められる事ではじめて厚生労働省に治療計画を提出することができ、そこで受理され番号を付与されて、ようやく治療を行うことが可能となります。
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視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療は、発作が起きたときの急性期治療と、次の発作を防ぐ再発予防治療の2つに分けて考えます。 この病気は再発のたびに視力障害や麻痺などの障害が蓄積しやすいため、発作を起こさない状態を保つことが治療の軸になります。 近年は再発予防に用いられる薬剤の選択肢が広がり、病状に応じた治療を選べるようになってきました。 本記事では、急性期治療と再発予防治療の内容、治療薬の選び方、後遺症へのリハビリ、副作用の注意点について解説します。 患者様ご本人だけでなく、支えるご家族にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。 視神経脊髄炎の治療は「急性期」と「再発予防」に分けられる 視神経脊髄炎の治療は、急性期治療と再発予防治療の2本立てで行われます。 急性期治療の目的は、視神経炎や脊髄炎などの発作が起きた際に炎症をすばやく抑え、神経障害をできるだけ残さないことです。 一方の再発予防治療は、発作が治まった後も継続し、次の発作を防ぐことを目的とします。 視神経脊髄炎は、再発と寛解を繰り返しながら慢性の経過をとるため、長期の療養が必要とされています。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 再発を重ねるほど視力障害や麻痺が残りやすくなるため、症状が落ち着いた後の治療継続が重要になります。 「発作が治まったら治療は終わり」ではない点を、まず押さえておきましょう。 発作が起きたときに行う急性期治療 新たな視力低下や手足のしびれ・麻痺が現れた場合は、できるだけ早く治療を開始することが重要です。 炎症が長引くほど神経のダメージが大きくなり、後遺症が残りやすくなるためです。 ステロイドパルス療法 血液浄化療法 ここでは、急性期に行われる代表的な2つの治療について解説します。 ステロイドパルス療法 ステロイドパルス療法は、高用量のステロイドを短期間に点滴で投与し、炎症を強力に抑える治療です。 視神経炎や脊髄炎の急性期における標準的な治療として、一般的に行われます。 数日間の点滴を1クールとして実施し、効果が不十分な場合は繰り返されることもあります。 また、症状の程度や治療への反応に応じて、その後に内服のステロイドへ切り替えて継続する場合があります。 短期間の大量投与では、不眠、血糖値の上昇、胃の不快感などが起こることがあります。 気になる症状があれば、その都度医療スタッフへ伝えましょう。 血液浄化療法 ステロイド治療で十分な改善が得られない場合や、症状が重い場合には血液浄化療法が検討されます。 代表的なのが血漿交換で、血液中から病気に関係する抗体や炎症物質を取り除くことを目的とします。 視神経脊髄炎ではAQP4抗体が病態に関わるため、この抗体を減らすアプローチが有効となる場合があります。 専用の装置を用いて行うため、対応できる医療機関で実施されます。 症状が重い場合には、ステロイドパルス療法の効果を待たず早期に追加されることもあります。 治療の進め方は病状によって異なるため、方針について不明な点は主治医に確認しておきましょう。 視神経脊髄炎では再発予防治療が重要 視神経脊髄炎は再発によって神経障害が蓄積しやすいため、発作が治まった後の予防治療が欠かせません。 とくにAQP4抗体陽性の患者様では再発率が高いことが知られており、予防治療の必要性が高いとされています。 抗体医薬による再発予防 免疫を抑える薬による再発予防 ここでは、再発予防に用いられる2つの治療について解説します。 抗体医薬による再発予防 AQP4抗体陽性の視神経脊髄炎では、病態に関わる仕組みを狙って働く抗体医薬が使用されます。 標的となるのは、主に以下の3つです。 標的 考え方 補体 抗体が結合した後に組織を傷つける働きを抑える IL-6受容体 炎症を促す情報伝達を抑える B細胞 抗体を作り出す細胞に働きかける 薬剤ごとに、点滴か皮下注射かといった投与方法や投与間隔、副作用の特徴、使用できる条件が異なります。 そのため、病状や合併症、通院の負担などを踏まえて選択されます。 また、薬剤によっては投与前にワクチン接種が必要な場合もあります。 免疫を抑える薬による再発予防 患者様の状態によっては、副腎皮質ステロイドの内服や免疫抑制薬を用いて再発予防を行う場合があります。 これらは以前から用いられてきた方法で、現在も病状や治療歴に応じて選択されます。 ステロイドの内服を長期間続ける場合は、骨粗しょう症、血糖値の上昇、感染症などに注意が必要です。 免疫抑制薬では、白血球の減少や肝機能への影響を確認するため、定期的な血液検査が行われます。 いずれの治療でも、副作用を確認しながら継続していくことが前提となります。 自己判断で量を減らすと再発につながる可能性があるため、気になる点は必ず主治医へ相談しましょう。 視神経脊髄炎の治療薬はどう選ぶ? 治療薬は、患者様ごとの状況を踏まえて選択されます。 考慮される主な要素は以下のとおりです。 AQP4抗体やMOG抗体の有無 これまでの再発回数と間隔 発作時の症状の重さと残った障害 年齢 妊娠を希望しているかどうか 感染症のリスクや持病の有無 通院可能な頻度 ここで大切なのは、「最も強い薬」を一律に選ぶものではないという点です。 効果が高くても副作用のリスクや生活への負担が大きければ、その方にとって最適とはいえません。 とくに妊娠を希望する場合は、使用できる薬剤が限られるため早い段階での相談が重要です。 治療方針に納得できないまま進めるより、疑問点を伝えて説明を受けることが継続の助けになります。 後遺症にはリハビリや症状に応じた治療を行う 急性期治療を行っても、しびれや筋力低下、歩行障害、視力障害、排尿・排便障害などが残る場合があります。 これらの後遺症に対しては、リハビリと症状に応じた治療を組み合わせて対応します。 後遺症 主な対応 筋力低下・歩行障害 理学療法による筋力訓練、バランス訓練、装具や杖の活用 日常生活動作の困難 作業療法による動作練習、自助具の選定 しびれ・神経障害性疼痛 神経の興奮を抑える薬による薬物療法 排尿・排便障害 泌尿器科との連携、排尿管理の指導 視力障害 眼科での経過観察、生活環境の調整 感覚が鈍い部位では、やけどや傷に気づきにくくなります。 入浴時の湯温確認や、毎日の皮膚チェックを習慣にしておくと安心です。 治療中は感染症などの副作用に注意する ステロイドや免疫抑制薬、抗体医薬では、いずれも免疫の働きを抑えるため感染症に注意が必要です。 治療中は、以下の点を心がけましょう。 手洗いやうがい、マスクなど基本的な感染対策を続ける 定期的な診察と血液検査を受ける 発熱や体調の変化があれば早めに主治医へ連絡する ワクチン接種の可否を事前に確認する 他院を受診する際は治療内容を伝える とくに発熱時は、市販薬で様子を見る前に主治医へ相談してください。 免疫を抑えている状態では、感染症が急速に悪化する可能性があるためです。 また、症状が落ち着いていても自己判断で薬を中断しないことが大切です。 調子のよい状態は治療によって保たれている場合が多く、中断は再発のリスクにつながります。 新たな視力低下や麻痺がある場合は早めに受診する 以下の症状は、再発のサインとなる場合があります。 急な視力低下、視野が欠ける 目の奥が痛む、目を動かすと痛い 新たな手足のしびれや脱力が出た 歩きにくさが急に進んだ 排尿・排便の障害が現れた 原因のわからない強い吐き気や嘔吐が続く しゃっくりが止まらない 強い吐き気や止まらないしゃっくりは、脳幹の病変によって起こることがある症状です。 「胃腸の不調だろう」と自己判断せず、主治医へ連絡してください。 また、以前経験した発作と似た症状であっても、様子を見ずに相談することが大切です。 再発は早期に治療を始めるほど、障害を残しにくいとされています。 視神経脊髄炎は発作の治療と再発予防の両方が重要 視神経脊髄炎の治療では、発作時にステロイドパルス療法や血液浄化療法で炎症を抑えることが第一歩となります。 そのうえで、抗体医薬や免疫抑制薬による再発予防治療を長期的に続けることが、障害の蓄積を防ぐ鍵になります。 治療薬は抗体の種類や再発歴、妊娠希望の有無などによって選択されるため、疑問があれば主治医に確認しましょう。 後遺症が残った場合も、リハビリや症状に応じた治療によって生活機能の維持・改善を目指せます。 新たな視力低下や麻痺などの症状が現れた際は、自己判断で様子を見ず、早めに医療機関へ連絡してください。
2026.08.31 -
- 頭部
多発性硬化症と診断され「寿命は短くなるのか」と不安を感じている患者様やご家族は少なくありません。 結論として、この病気に「発症後○年」といった一律の余命はなく、経過は患者様ごとに大きく異なります。 また、近年は再発を抑える治療の選択肢が広がり、長期的に病気を管理しながら生活を続けられるようになってきました。 本記事では、多発性硬化症の生命予後を左右する要因や治療の意義、長く付き合っていくために大切なことを解説します。 不安を整理し、これからの見通しを考える参考として、ぜひ最後までご覧ください。 多発性硬化症で寿命が一律に短くなるとはいえない 多発性硬化症には、「発症後何年」といった一律の余命はありません。 生命予後は、病型、発症年齢、障害の程度、治療の状況などによって大きく異なります。 一般人口と比較して平均寿命がやや短いとする報告もありますが、これらの多くは治療法が限られていた時代のデータを含んでいます。 現在は再発や進行を抑える薬剤が登場し、病気の活動性をコントロールしながら生活を続ける患者様が増えています。 多発性硬化症は再発と寛解を繰り返し、慢性の経過をとる疾患とされており、長期の療養が必要になります。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 そのため、古い情報だけを根拠にご自身の将来を判断せず、現在の病状をもとに主治医と見通しを共有することが大切です。 多発性硬化症の寿命・予後を左右する主な要因 長期的な経過は、病名そのものではなく複数の要因の組み合わせによって決まります。 病型や障害の進行度 再発の回数や病気の活動性 このほか、発症年齢、治療を開始した時期、合併症の有無なども関わります。 ここでは、とくに影響が大きい2つの要因について解説します。 病型や障害の進行度 多発性硬化症は、経過の仕方によっていくつかの病型に分けられます。 病型 経過の特徴 再発寛解型 症状が現れる再発期と、落ち着いている寛解期を繰り返す 二次性進行型 再発寛解型の経過を経たのち、再発とは関係なく徐々に障害が進む 一次性進行型 発症当初から明らかな再発を伴わず、緩やかに進行する 歩行障害などの身体機能の低下が進むと、生活全体への影響が大きくなります。 移動が制限されることで活動量が減り、体力や筋力の低下につながる場合もあります。 ただし、進行のスピードには個人差があり、病型だけで寿命を予測することはできません。 同じ病型でも、経過が緩やかな方もいれば変化が早い方もいます。 再発の回数や病気の活動性 再発や新たな神経障害が繰り返されると、障害が少しずつ蓄積していく場合があります。 再発時の症状は治療によって改善することもありますが、一部が後遺症として残ることがあります。 そこに次の再発が加われば、残った障害の上にさらに新しい障害が重なる可能性があります。 そのため、再発を抑えて病気の活動性をコントロールすることが、長期的な身体機能の維持につながります。 なお、活動性は自覚症状だけでは判断できません。 症状として現れないまま、MRIで新しい病変が見つかることもあるため、定期的な検査が重要になります。 多発性硬化症の治療は長期予後に重要 多発性硬化症の治療の中心となるのが、疾患修飾薬(DMD)と呼ばれる薬剤です。 再発を抑えたり、障害の進行を遅らせたりすることを目的として用いられます。 薬剤の種類は複数あり、病型や病気の活動性、年齢、合併症、副作用の出方などを踏まえて選択されます。 ここで重要なのが、症状が落ち着いていても自己判断で治療を中止しないことです。 調子がよい状態は、治療によって病気の活動性が抑えられている結果である場合が多くあります。 中断によって再発が起これば、これまで維持できていた機能が失われる可能性もあります。 副作用や通院の負担で治療が難しいと感じる場合も、まずは主治医へ相談しましょう。 寿命に影響する可能性がある合併症 生命予後に関わるのは、多発性硬化症そのものだけではありません。 障害が進んだ場合に注意したい合併症は、以下のとおりです。 誤嚥性肺炎(嚥下機能の低下による) 尿路感染症(排尿障害による残尿など) 床ずれ(褥瘡) 活動量の低下による筋力・体力の低下 転倒による骨折 免疫を抑える治療中の感染症 とくに誤嚥性肺炎と尿路感染症は、全身状態に影響を及ぼしやすい合併症です。 食事中にむせる、発熱を繰り返すといった様子があれば、早めに医師へ伝えてください。 一方で、これらの多くは予防や早期対応が可能です。 障害が進んだ場合でも、リハビリを続けて機能を維持し、合併症を防ぐ管理を行うことが予後に関わります。 多発性硬化症と長く付き合うために大切なこと 基本となるのは、疾患修飾薬を医師の指示どおりに継続し、定期的に病気の活動性を確認することです。 診察に加えてMRI検査を行い、新しい病変が出ていないかを確認していきます。 あわせて、日常生活では以下の点を心がけましょう。 喫煙している場合は禁煙を検討する 体調に合わせて適度に体を動かす 手洗いやワクチンなど感染症の予防を行う 適正体重を維持する 十分な睡眠と休息をとる 疲労や体温上昇で症状が強まる場合は無理をしない 喫煙は病気の経過に影響する可能性が指摘されているため、禁煙は取り組む価値のある対策です。 また、暑さや入浴で一時的に症状が強まることがあるため、体温が上がりすぎない工夫も役立ちます。 なお、ワクチン接種の可否は治療内容によって判断が異なるため、必ず主治医に確認してください。 新たな麻痺や視力低下がある場合は早めに受診する 以下のような症状が現れた場合は、再発の可能性があるため早めに主治医へ相談してください。 新たな手足のしびれや感覚の鈍さが出た 手足に力が入りにくい、物を落とすようになった 片目の視力低下や、目を動かしたときの痛みがある 物が二重に見える ふらつきが強くなり歩きにくい 排尿・排便の障害が新たに現れた これらの症状が24時間以上続いている とくに、突然の強い症状や急に歩けなくなるような変化がある場合は、自己判断で様子を見ないでください。 再発は早期に治療を始めるほど、障害を残しにくいとされています。 なお、発熱や疲労で一時的に症状が強まることもあり、この場合は再発とは区別されます。 判断が難しいときこそ、自分で決めずに医療機関へ連絡しましょう。 多発性硬化症の寿命は一律ではなく長期的な治療管理が重要 多発性硬化症は生命予後に個人差が大きく、病名だけで寿命を判断することはできません。 病型や障害の進行度、再発の頻度、合併症の有無など、複数の要因が経過に関わります。 一方で、治療の選択肢は広がっており、再発を抑えながら長く付き合っていくことが可能になってきました。 疾患修飾薬を自己判断で中断せず、定期的な診察とMRIで病気の活動性を確認していきましょう。 新たな神経症状が現れた場合は早めに主治医へ相談し、不安な点は抱え込まずに共有することが、これからの生活を支える基盤になります。
2026.08.31 -
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多発性硬化症は、脳や脊髄の神経を包む髄鞘(ずいしょう)が障害される自己免疫性の疾患です。 発症しやすい人には、若い成人、女性、家族に患者がいる人といった一定の傾向が知られています。 ただし、これらの特徴に当てはまるからといって、必ず発症するわけではありません。 本記事では、多発性硬化症の発症リスクと関連が指摘されている特徴や生活習慣、初期症状と受診の目安について解説します。 不安を整理し、必要なときに適切な行動をとるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。 多発性硬化症になりやすい人には一定の傾向がある 多発性硬化症は、特定の一つの原因だけで発症する病気ではありません。 免疫が誤って自分の神経を攻撃してしまうことで、中枢神経に炎症と脱髄が起こると考えられています。 発病の仕組みはまだ完全には解明されていませんが、自己免疫の機序が関与しているとされています。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 現在わかっているのは、年齢・性別・遺伝的素因・感染歴・生活習慣といった複数の要因が、発症リスクと関連しているという点です。 言い換えれば、どれか一つの特徴が発症を決めているわけではありません。 そのため、以下で紹介する特徴に当てはまっても、過度に心配する必要はありません。 多発性硬化症になりやすい人の主な特徴 発症リスクとの関連が知られている代表的な特徴は、以下のとおりです。 若い成人・女性 家族に多発性硬化症の患者がいる人 特定の環境・生活習慣に関連する要因がある人 ここでは、3つの特徴について解説します。 若い成人・女性 多発性硬化症は、若年成人での発症が多い疾患です。 20〜30代で診断されるケースが目立ち、働き盛りや子育て世代と重なることも少なくありません。 また、男性より女性に多い傾向があることも知られています。 この背景には、女性ホルモンや免疫の働き方の違いが関係している可能性が指摘されていますが、詳細は明らかになっていません。 ただし、小児期に発症する場合や、40代以降で診断される場合もあります。 そのため、年齢や性別だけで発症の可能性を判断することはできません。 家族に多発性硬化症の患者がいる人 家族に多発性硬化症の患者がいる場合、一般の方より発症リスクがやや高くなることが知られています。 これは、免疫の働きに関わる体質(遺伝的素因)が受け継がれることが関係していると考えられています。 ただし、多発性硬化症は単純な遺伝病ではありません。 親から子へ一定の確率で必ず伝わるという性質の疾患ではなく、家族歴があっても大多数の方は発症しません。 遺伝的素因はあくまで要因の一つであり、環境要因が重なって初めて発症に至ると考えられています。 ご家族の診断をきっかけに不安を感じている場合は、その気持ちを含めて医師に相談してみるとよいでしょう。 特定の環境・生活習慣に関連する要因がある人 環境要因として、以下のような点が発症リスクとの関連を指摘されています。 要因 指摘されている内容 喫煙 発症リスクとの関連が指摘されており、経過にも影響する可能性がある 思春期ごろの肥満 小児期から思春期の肥満が、その後の発症リスクと関連する可能性がある 日照不足・ビタミンD低値 日光を浴びる機会が少ない地域や、血中ビタミンDが低い状態との関連が指摘されている これらは、あくまで統計的な関連が報告されている要因です。 「禁煙すれば発症を防げる」「ビタミンDを摂れば安心」と断定できるものではありません。 一方で、喫煙や肥満は他の疾患のリスクにもなるため、健康管理として見直す価値はあります。 EBウイルス感染も発症リスクとの関連が指摘されている 近年注目されているのが、EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)への感染との関連です。 とくに、EBウイルス感染によって起こる伝染性単核球症の既往がある方では、発症リスクとの強い関連が報告されています。 ただし、ここで重要なのは、EBウイルスは多くの人が感染する一般的なウイルスだという点です。 成人のほとんどが幼少期から思春期までに感染しており、多くの場合は無症状か軽い風邪のような症状で経過します。 つまり、感染した方の大部分は多発性硬化症を発症しません。 「EBウイルスに感染したことがある=発症する」という関係ではないため、過度に不安を抱く必要はありません。 多発性硬化症は遺伝する? 多発性硬化症には遺伝的素因が関係しますが、親から子へ直接受け継がれる単一遺伝子疾患ではありません。 血友病や一部の筋疾患のように、特定の遺伝子の変化によって発症が決まるタイプの病気とは性質が異なります。 関わっているのは、免疫の働き方に影響する複数の遺伝的な特徴と考えられています。 そのため、家族に患者がいる場合でも、多くの方は発症しません。 実際には、遺伝的素因を持つ方に環境要因が重なることで、発症に至ると考えられています。 お子様への影響を心配される方もいますが、「遺伝する病気」と単純に捉える必要はありません。 気になる場合は、主治医や遺伝カウンセリングの窓口で相談してみましょう。 多発性硬化症を予防することはできる? 現時点で、多発性硬化症を確実に予防する方法は確立されていません。 発症の仕組みが完全には解明されていないため、「これをすれば防げる」と断定できる手段はないのが現状です。 そのうえで、一般的な健康管理として取り組めることはあります。 喫煙している場合は禁煙を検討する 適正体重を維持する バランスのとれた食事を心がける 適度に体を動かす習慣をつける 十分な睡眠を確保する 一方で、注意したいのがサプリメントの扱いです。 ビタミンDとの関連が報告されていることから大量摂取を考える方もいますが、自己判断での高用量摂取は避けてください。 ビタミンDは脂溶性のため体内に蓄積しやすく、過剰摂取によって高カルシウム血症などを起こす可能性があります。 サプリメントを使いたい場合は、医師や薬剤師に相談してから始めましょう。 しびれ・視力低下などの症状が続く場合は受診する 多発性硬化症では、以下のような症状が初発のサインとなる場合があります。 片側または両側の手足のしびれ、感覚の鈍さ 手足に力が入りにくい 片目の視力低下、目を動かしたときの痛み 物が二重に見える(複視) 歩行時のふらつき、バランスのとりにくさ 体を締めつけられるような帯状の違和感 強い倦怠感が続く これらの症状が数日以上続く、繰り返し現れる、範囲が広がってきたという場合は、脳神経内科への受診を検討しましょう。 とくに、入浴や発熱で症状が一時的に強まる、という経過がある場合も相談の目安になります。 診察では、神経学的な診察に加えて、MRIや血液検査、髄液検査などが行われることがあります。 症状が自然に軽快することもありますが、経過を確認するうえで一度受診しておくと安心です。 多発性硬化症は複数のリスク要因が関係すると考えられている 多発性硬化症は、若い成人や女性、家族歴がある方などで発症しやすい傾向がありますが、特定の特徴だけで発症を予測することはできません。 遺伝的素因と環境要因が複雑に関わって発症すると考えられており、リスク要因に当てはまっても大多数の方は発症しません。 確実な予防法は確立されていないため、禁煙や適正体重の維持といった一般的な健康管理を心がけるのが現実的な向き合い方です。 過度に不安を抱えるより、体の変化に気づける状態でいることのほうが大切といえます。 手足のしびれや視力低下、ふらつきなどの神経症状が続く場合は、原因を確かめるために脳神経内科を受診しましょう。
2026.08.31 -
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視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、視神経と脊髄を中心に炎症が起こる自己免疫性の疾患です。 診断を受けて「寿命は短くなるのか」と不安になる方は少なくありませんが、この病気に「発症後○年」といった一律の余命はありません。 経過は患者様ごとに大きく異なり、再発の有無や治療の状況によって将来の見通しも変わります。 本記事では、視神経脊髄炎の予後を左右する要因や再発予防の重要性、治療の内容について解説します。 患者様ご本人だけでなく、支えるご家族にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。 視神経脊髄炎で寿命が一律に短くなるとはいえない 視神経脊髄炎スペクトラム障害には、「発症後何年」といった一律の余命はありません。 予後は、病状、再発の回数、治療への反応、後遺症の程度などによって大きく異なります。 そのため、病名だけを根拠に将来の見通しを判断することはできません。 実際、近年は再発予防のための治療選択肢が広がっており、病気と長く付き合いながら生活を続けている患者様も多くいらっしゃいます。 一方で、重い脊髄炎や脳幹の病変、再発によって蓄積した障害が全身状態に影響する場合があるのも事実です。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 だからこそ、病気を適切に管理して再発をできる限り防ぐことが重要になります。 視神経脊髄炎の予後を左右する主な要因 長期的な経過は、複数の要因が組み合わさって決まります。 再発の回数と重症度 脊髄・脳幹など障害される部位 このほか、発症年齢、治療を開始した時期、治療への反応、合併症の有無なども影響します。 ここでは、とくに重要な2つの要因について解説します。 再発の回数と重症度 視神経脊髄炎では、再発のたびに神経へのダメージが積み重なる場合があります。 視神経の炎症では視力の低下、脊髄の炎症では手足の麻痺やしびれ、排尿・排便障害などが起こります。 これらの症状は治療によって改善することもありますが、一部が後遺症として残ることがあります。 そして次の再発が起これば、残った障害の上にさらに新しい障害が加わる可能性があります。 つまり、再発そのものを防ぐことが、長期的な状態を守るうえで最も重要といえます。 1回ごとの発作の重症度も、その後の障害の残り方に関わります。 脊髄・脳幹など障害される部位 どこに炎症が起きるかによって、症状の重さや生活への影響は変わります。 部位 現れやすい症状 視神経 視力低下、視野の欠け、目の奥の痛み 脊髄 手足の麻痺やしびれ、歩行障害、排尿・排便障害 脳幹 強い吐き気、止まらないしゃっくり、めまい、嚥下や呼吸に関わる症状 とくに脊髄の炎症が広範囲に及ぶと、麻痺が重く残る可能性があります。 また、脳幹の中でも呼吸や嚥下に関わる部位が障害された場合は、全身状態に影響が及ぶことがあります。 病変の場所と広がりによって経過が変わるため、画像検査を含めた定期的な確認が欠かせません。 視神経脊髄炎では再発予防が重要 視神経脊髄炎では、症状が落ち着いている時期にも再発予防治療を継続することが重要です。 再発によって神経障害が蓄積しやすい疾患であるため、発作を起こさない状態をいかに保つかが治療の軸になります。 ここで注意したいのが、症状がないからと自己判断で薬を中断しないことです。 調子がよい状態は、治療によって炎症が抑えられている結果である場合が多くあります。 中断によって再発が起これば、これまで維持できていた機能が失われる可能性もあります。 副作用がつらい、通院が負担といった事情がある場合も、まずは主治医に相談しましょう。 治療内容の調整や、別の選択肢を検討できることがあります。 視神経脊髄炎の主な治療 治療は、発作が起きている急性期と、落ち着いている時期の再発予防に分かれます。 急性期の治療 再発を防ぐための治療 ここでは、それぞれの治療について解説します。 急性期の治療 発作時の目的は、炎症をすばやく抑えて神経障害をできるだけ残さないことです。 中心となるのは、ステロイドを短期間に大量投与するステロイドパルス療法です。 十分な効果が得られない場合には、血液中の抗体などを取り除く血液浄化療法(血漿交換)が検討されます。 ここで重要なのが、発作からできるだけ早く治療を始めることです。 炎症が長引くほど神経のダメージが大きくなるため、症状に気づいた時点での受診が回復の程度に関わります。 「様子を見よう」と迷った場合は、まず主治医へ連絡しましょう。 再発を防ぐための治療 再発予防では、免疫の働きを調整・抑制する薬や抗体医薬などが用いられます。 近年は抗AQP4抗体が関わる病態に対する治療薬が登場し、選択肢が広がっています。 どの治療を選ぶかは、抗体の種類、これまでの再発歴、年齢、合併症などによって異なります。 また、免疫を抑える治療では感染症にかかりやすくなる場合があるため、副作用の確認も並行して行われます。 定期的な血液検査や診察は、効果と安全性の両方を見るために必要な手順です。 体調の変化や気になる症状があれば、次の受診を待たずに相談してください。 後遺症や合併症が生活・予後に影響する場合もある 再発を繰り返すと、以下のような後遺症が残る場合があります。 視力の低下や視野の欠け 手足の麻痺やしびれ 歩行障害、バランスの不安定さ 排尿・排便障害 神経障害による痛み これらの後遺症は、日常生活の動きにくさにつながります。 運動障害によって活動量が減ると、筋力低下や体力の低下が進み、全身状態に影響することがあります。 また、排尿障害があると尿路感染を起こしやすくなり、免疫を抑える治療中は感染症への注意も必要です。 そのため、後遺症に対するリハビリと、合併症を防ぐ管理の両方が大切になります。 リハビリは機能の維持だけでなく、転倒予防や生活の質を保つ意味でも役立ちます。 視神経脊髄炎と長く付き合うために大切なこと 基本となるのは、再発予防薬を医師の指示どおりに継続し、定期的な診察と検査を受けることです。 そのうえで、再発を疑う症状を知っておくと、早期の対応につながります。 急な視力低下、視野が欠ける、目の奥が痛む 手足のしびれや脱力が新たに出た、または急に強くなった 歩きにくさが急に進んだ 排尿・排便の異常が現れた 強い吐き気や嘔吐が続く しゃっくりが止まらない 体を締めつけられるような感覚が出た 強い吐き気や止まらないしゃっくりは、脳幹の病変によって起こることがある症状です。 「胃腸の不調だろう」と自己判断せず、主治医へ連絡してください。 また、後遺症がある場合は、リハビリや福祉サービス、指定難病の医療費助成制度なども活用できます。 ひとりで抱え込まず、医療機関の相談窓口やソーシャルワーカーに相談してみましょう。 視神経脊髄炎の寿命は一律ではなく再発予防が重要 視神経脊髄炎は患者様ごとに病状や治療経過が異なるため、寿命を一律に示すことはできません。 一方で、重い再発や蓄積した後遺症が全身状態に影響する場合があることも事実です。 だからこそ、症状が落ち着いている時期にも再発予防治療を続け、定期的に病状を確認していくことが大切になります。 新たな視力低下や手足のしびれ、止まらないしゃっくりなど再発を疑う症状があれば、早めに主治医へ相談してください。 不安を抱えたまま過ごすより、治療方針や見通しについて主治医と共有しておくことが、長く付き合っていくうえでの支えになります。
2026.08.31























